松江とアイルランド


「耳なし芳一」「むじな」「雪女」
などの短編を収めた
『怪談』や「知られぬ日本の面影」などの
多くの作品で日本を世界に紹介した
文豪・小泉八雲は、1890年に来日し、
1年間、松江で暮らしました。

その縁で松江は、彼が幼年期まで過ごした
アイルランドとの交流が盛んな都市です。


ヨーロッパの最北西に位置する
アイルランドの首都はダブリンで、
人口は約460万人。10世紀以上も
アイルランドの文化の中心で
あり続けています。

自然が豊かなアイルランドは、
牧畜業が盛んで、古くから口承で
伝えられている伝統音楽
「アイルランド音楽」が有名で、
路上や家庭など至る所で演奏を
聞くことができます。


3月17日は、アイルランド共和国の祝祭日、
セント・パトリックス・デイです。
アイルランドにキリスト教を広めた
聖人聖パトリックの命日で、
シャムロックを服につけたり、
ミサを行います。

松江でも毎年3月に
アイリッシュ・フェスティバル が
開催され、パレードやライブが行われ、
松江がアイルランドのイメージカラーである
緑一色になります。

 


2019年はあいにくの雨模様での
開催となりましたが、
アイルランドでは雨はつきものだそうで。

パレードでは、緑の服や装飾品を
身に着けた150名の参加者が
陽気な音楽とともに、
松江城からカラコロ広場までの道を
行進しました。

 

アイリッシュシチュー


アイルランドの伝統的な家庭料理
「アイリッシュシチュー」。

羊肉、タマネギ、ジャガイモ、タイム、
パセリなどを塩コショウとスープストックで
煮込んだ、ブイヨンやルウを加えない
シンプルな味付けのシチューです。

今年のイベントでは、
このアイリッシュシチューと
松江の新ご当地グルメ「松江おどん」が
コラボレーションした
「アイリッシュシチュー風松江おどん」が
販売されました。

「おどん」とはおでんの中に
うどんを入れたもので、
島根県が制定した県の魚である
トビウオ(アゴ)を使った出汁を
使用しています。

松江は、人口あたりのおでん屋の数が
全国でトップクラスに多い、
おでんの街です。
松江藩松平家7代藩主・松平不昧公が
庶民に広めたと言われています。
「アイリッシュシチュー風松江おどん」は、
このフェスティバルのために
開発されました。

またこの他にもアイルランド紅茶や
アイリッシュ・ウィスキーといった
アイルランドにちなんだメニューを販売する
屋台が出店され、飲食でもアイルランドを
楽しむことができます。


2019年03月12日